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① 今回の5月号で紹介した初診時から治療までの検査の自己負担金について
 初診時から治療までに行う諸検査 健康・国民保健の自己負担金 
 月経時の卵巣機能を診るホルモン検査3種類+1種類  1,520円
 初診時超音波検査  1,590円
 子宮卵管造影検査(造影剤1本使用時)  3,680円
 精液検査    210円
 子宮頸菅粘液検査    350円
 ヒューナーテスト(性交後検査)    180円

② 不妊治療開始からの治療内容についてと妊娠の割合です。
一般的に不妊治療は、通常自然周期でのタイミング法、次に①クロミッドとHMGなどの注射の卵胞刺激剤を併用したタイミング法、②HMG単独の卵胞刺激を併用したタイミング法、③次に人工授精などの順でステップアップして治療を行っていきます。この段階までを一般不妊治療といい、胚の操作を行う体外受精などの高度生殖医療と区別されています。また、不妊治療による妊娠例の8割が、一般不妊治療で妊娠します。

平成29年12月に新潟市で行われた研究会での発表内容から、当院の治療成績をご紹介します。
当院では一般不妊治療で妊娠した方の割合は、1割くらいが自然周期のタイミング法、4~5割くらいがクロミッド+HMGかHMGなどの注射剤単独のタイミング法、2~3割が排卵誘発剤併用の人工授精で妊娠されています。これは、通常以前から言われている報告とほぼ一致します。クロミッドには必ず注射剤の併用を行い3~4回の注射剤を投与することが必要であります。また、この方法で妊娠しない場合は注射剤のみで行い、2~3個の排卵を行うようにします。ここまでで5~6割に方がタイミング法で妊娠します。これで妊娠しない方には人工授精をお勧めします。精子の少ないカップルには非常に良い方法です。顕微授精の適応になるくらい少ない精子の方でも人工授精で妊娠されています。また、精子が通常の方でも、人工授精で妊娠されることが期待できます。

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ココラ4月号で紹介した妊娠高血圧症候群(以前の妊娠中毒症)のハイリスク因子についての項目です。
 予測病名 オッズ比または双胎危険度 
 慢性高血圧 9倍 
 腎疾患  7.2(4.2~12.5)
 多嚢胞性卵巣  5~6倍
 糖尿病  5.6(2.7~11.4)
 肥満  5.2(2.4~11.5)
 母体が低出生体重児  5.2(1.2~21.5)
 甲状腺機能亢進症(コントロール不良)  4.7(1.1~19.7)
 初産  3.8(2.8~5.2)
 母体が早産児  3.6(1.3~10.3)
 膠原病  3~4倍
 妊娠糖尿病  3倍
 妊娠高血圧症候群の既往  2~5倍
 収縮期血圧上昇(妊娠初期)  2.7(1.7~4.3)
 片頭痛  2.4(1.4~4.2)
 拡張期血圧上昇(妊娠初期)  1.7(1.3~2.2)

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ココラ3月号で紹介した精祖細胞についての説明です。
下記の写真(Newton 別冊「細胞と生命」より)が精巣の電子顕微鏡による写真です。
精巣管で精子は造られます。精巣管の外側に精祖細胞があり、精子をつくり精巣管の中央に移動し、
精巣上体に運ばれ蓄積されます。このようにミクロの世界の生き物を造る細胞が、外部からの薬や
サプリメントの効果があるとは考えにくいと思います。精巣にあるライディッヒ細胞は
男子ホルモンを産生します。


                           (出典 Newton 別冊「細胞と生命」より)
    

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ココラ2月号で紹介した基礎体温についての説明です。
1)基礎体温が落ちた日が排卵日?
基礎体温が落ちた日に排卵する可能性は20%程度です。
もともと基礎体温が落ちるという科学的根拠は、全くありません。
米国の研究データによると、排卵する日は基礎体温上 ①低温相の最後の日に1/3、
②高温相になりかける途中に1/3、③高温相の一日目に1/3の割合ということです。
よって基礎体温では、概ねこの日からこの日の間と言えますが、排卵日を特定できません。
ではいつ妊娠しやすいか?
低温相最後の日から高温相一日目の日まで毎日タイミングを取った
カップルの妊娠率が一番良いという実験データがあります。
ぜひ参考にしてみてください。
2)排卵していつまでに高温相になればよいか?
排卵して卵胞が破裂すると、その排卵後の卵胞は赤体になり、
その後96時間までには黄体になります。
よって排卵した翌日から数えると3日目までには高温相になるわけです。
3)高温相で時々、体温が落ちるときがあるのは?
これについては、科学的データはありません。全く不明です。
4)基礎体温で一番需要なのは?
36.7℃以上の日が、12~14日間続くことが一番重要です。




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ココラ1月号で紹介した一般不妊治療についてです。
2017年12月に開催された新潟生殖医療研究会で当院における一般不妊治療の妊娠成績から
妊娠に有意な治療項目を発表しました。
不妊治療は
①通常自然周期でのタイミング法、
次に②クロミッドとHMG単独の卵胞刺激剤を併用したタイミング法、
次に③HMG単独の卵胞刺激を併用したタイミング法、
次に④人工授精 など
の順でステップアップして治療を行っていきます。
ここまでの段階を一般不妊治療といい、胚の操作を行う体外受精などの高度生殖医療と区別されています。
また、不妊治療による妊娠例の8割が一般不妊治療で妊娠します。
高度生殖医療は不妊治療の最終段階であり有効的な治療法でありますが、
高額な治療であるため、一般不妊治療による妊娠率の向上を目指すことが患者さん有益と考えられます。
今回、一般不妊治療により妊娠した症例から、各治療周期の妊娠に有意な項目の有無を検討してみました。

対象症例は、2015年11月から2017年10月の期間、当院で一般不妊治療を行い妊娠した
290例(妊娠数349)のうち、卵胞刺激を行った妊娠例232例(妊娠数291)を対象としました。
検討項目は②クロミッド併用タイミング法、③HMGのみのタイミング法、④人工授精の各治療周期における
(1)排卵数、 (2)HMG使用量、 (3)人工授精の実施時期、について各々比較検討を行いました。

②クロミッド併用タイミング法では、排卵数で有意な差認められず、
HMG使用量が妊娠例で有意に多く認められております。
クロミッド周期ではHMGの追加併用が必要と考えられました。

③HMGのみによるタイミング法における治療では、妊娠例で平均排卵数2.59と
平均HMG使用量1,125単位(平均150単位 を7.5本使用)であり、非妊娠例と比較すると妊娠例で
有意に多く認められております。この治療段階では、一定の卵胞刺激を必要とすることが考えられます。

④人工授精における治療では、妊娠例で平均排卵数 2.29であり、非妊娠例と比較すると
妊娠例で有意に多く認められております。
HMGの使用量では差はなく、洗浄後総運動精子数も差は認められませんでした。
排卵前後の人工授精による治療では、排卵前に行った行った人工授精の妊娠率が29.9%、
排卵後の人工授精の妊娠率が58.1%で有意な差が認められました。

以上が、平成29年12月2日に新潟市で行われた研究会の発表内容です。
当院における一般不妊治療で妊娠した方の割合は、1割くらいが自然周期タイミング法、
4~5割くらいがクロミッド+HMGかHMGなどの注射剤単独のタイミング法、
2~3割くらいが排卵誘発剤併用の人工授精で妊娠されています。
これは、通常以前から言われている報告とほぼ一致します。
そこで、今回の発表の目的は、妊娠のポイントを明確にするために行いました。
結論は、クロミッドには必ず注射剤の併用を行い150単位を3~4本を投与することが必要であります。
また、この方法で妊娠しない場合は注射剤のみで行い、2~3個排卵を行うようにします。
ここまでで5~6割の方がタイミング法で妊娠します。ここまでで妊娠しない方は人工授精をお勧めします。
精子の少ないカップルには非常に良い方法です。
顕微授精の適応になるくらい少ない精子の方でも人工授精で妊娠されています。
また、精子が通常の方でも、人工授精で妊娠されることが期待できます。
今回の発表から、人工授精の場合排卵後の方が排卵前より妊娠率が2倍良い結果でした。
排卵後にタイミング法で妊娠を試みても、残念ながら排卵して半日すると頸管粘液が出なくなり、
精子が子宮内に入れなくなり妊娠が難しくなります。
この面からみても、人工授精が一般不妊治療で非常に良い方法です。
重要なことは、いづれの治療でも卵胞刺激の排卵誘発剤の注射剤は必ず必要であるということです。
クロミッドだけでは1個しか排卵しませんし、妊娠率は非常に悪いのです。
  

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ココラ12月号で紹介した体重減少性無月経についてです。
月経・排卵機序は、間脳(脳にあるホルモンの中枢)― 下垂体(脳の垂れ下がった部分・ホルモンの宝庫)
― 卵巣系で成り立っています。
体重減少性無月経は、ダイエットなどで体重が15~18%程度減少すると
この系統に支障をきたし無月経になります。体重減少の後に必ず発生します。
無月経の程度は、体重減少の程度と相関し、体重減少が著しいほど卵巣機能は低下します。
対処法は、体重減少の前の体重に戻すか、標準体重の90%以上を目標に体重の回復を目指します。
 

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ココラ11月号で紹介した卵子の染色体異常率についてです。
下記の表では34歳までは、卵子の数的な染色体異常は10%以下です。
35~38歳では10~20%の染色体異常になります。
これが39歳・40歳になると30%、41歳で40%、42歳・43歳で50%、
44歳で70%、45歳以上で100%染色体の異常を示しております。
この卵子が受精卵になるとさらに染色体異常が30~40%上乗せになります。
計算上では43歳までの卵子が受精卵になっても90%の染色体異常の確率ですが、
残りの10%の確率で出産は可能になります。
実際、臨床上出産に至った例は最高齢で43歳11か月の方でした。
最近では47歳の方で妊娠8週まで継続されましたが流産となりました。
着床率を上げると言われている培養液を用いての妊娠でしたので、
一応培養液の成果はあったかと考えられます。
    

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ココラ10月号で紹介した胞状卵胞についてです。
月経時にエコーで卵胞が確認できます。それが胞状卵胞と言われるものです。
この中からその周期に排卵する卵胞が1つ選ばれて卵子が排卵します。
この胞状卵胞の数が卵巣機能の表れでもあります。
下記に過去に発表した論文に掲載した胞状卵胞の年齢毎の数値を示しました。
20歳代のみの卵胞の数は20個くらいです。
年齢が上昇すると胞状卵胞の数が減少します。卵巣機能の低下を表します。
    
 年齢(症例数)  FSH(mIU/ml)  胞状卵胞
 ~34(n=255)  5.8±0.2(a)  14.4±0.6(b)(c)
 35,36(n=53)  6.5±0.4  11.9±1.1(d)
 37,38(n=39)  6.4±0.4  11.7±1.0(b)
 39~(n=43)  7.6±0.5(a)  9.1±0.7(c)(d)
FSH:卵胞刺激ホルモンといい、脳から卵巣に働いて卵子の入った卵胞を刺激し育てるホルモンです。
これが高い(10以上)と卵巣が機能低下を示すということになります。
(a):p<0.001 (b):p<0.02 (c):p<0.001  (d):<0.05 
                

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ココラ9月号でご紹介した精子生存試験と精子が少ない症例における人工授精の妊娠の成績です。
①精子生存試験(サバイバルテスト)について
精子の受精能力を調べる検査です。射精した精液を洗浄して、なるべく運動している精子を回収し、これをスイムアップという処置をして100%動いている精子を集めます。
この2段階の処置をした精子を培養器に入れて24~36時間培養します。通常受精能力のある精子は、24時間培養しても80%以上は生存して運動しています。40%以下の生存率では受精能は乏し20%以下では受精はしないと考えられます。
    
②当院における精子減少症の人工授精治療成績
下記の表は、当院の精子が少ない症例の人工授精の治療成績を論文にして採用された中から抜粋したものです。今の人工授精は、射精した精液を洗浄し精子のみを抽出して、これを子宮の奥に入れます。この注入する精子のうち運動している精子の数が1000万以上は妊娠のために必要とされています。この数については、500万とか100万で良いという論文もあります。
 当院での精子が少ない症例の人工授精で妊娠した例の平均の運動精子数は645万で、妊娠していない例の476万より有意に多い数字です。ただ、これはあくまで平均であり、100万、10万でも妊娠した方も結構おられます。
 この表からもう一つ言えることは、妊娠した例では平均排卵数が3.1個、妊娠されない例の平均2.0個より有意に多い数を示しております。これは、妊娠のためには多くの排卵数が必要ということです。ちなみに、この排卵のための排卵刺激は全て注射剤による刺激です。内服薬は用いてはいません。

 乏精子症例の人工授精による妊娠例と非妊娠例の背景、臨床成績の比較
妊娠例 非妊娠例 P value
症例数 42 107
年齢 32.9±0.76 32.6±0.40 N.S
治療回数 3.9±0.42 3.1±0.21 N.S
総運動精子数(×10) 6.45±0.64 4.76±0.44 p<0.05
LH(mIU/ml) 6.1±0.79 6.5±0.67 N.S
E (pg/ml) 1,466±168.1 1,398±116.7 N.S
子宮内膜厚(mm) 10.2±0.31 11.6±1.00 N.S
Triple line sign (%) 37(88.1) 83(77.5) N.S
排卵数(個) 3.1±0.25 2.0±0.15 p<0.01

(受精着床学会誌 40巻No1より)
    

ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年8月号)

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ココラ8月号でご紹介した年齢別の妊娠率の紹介です。
一番見やすい体外受精の年齢別の妊娠率(生産分娩率と言い、出産まで行く妊娠率です)を下記の図に示しました。その妊娠率は年齢が上昇すると低下するという報告です。
例えば、34歳以下の方で15個採卵できると出産まで行く妊娠率は38%です。ちなみに自然妊娠では25%位です。同じ15個卵子が取れても、40歳以上であれば妊娠率は15%です。ただ、40歳以上の方では10個以上取れることはあまりありません。ちなみに15%の妊娠率では、34歳未満の方は2個卵子があれば出産は可能ということになります。
このように卵子の妊娠の可能性は、年齢により決まります。


    

ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年7月号)

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ココラ7月号でご紹介した内容の論文紹介です。
現在移植する胚は、伝統的に形態的評価に基づいて胚を選択して胚移植を行っています。
今回は、培養器に備え付けられたタイムラプス(培養器)による有用な情報についての論文の紹介です。
論文内容
タイムラプスにより胚の分裂経過を撮影し、そのデータを多項目に解析して着床率および妊娠率が有意に上昇すると報告されています。
演題:Improved implantation rates of day 3 embryo transfers with the use of an automated time-lapse-enabled test to aid in embryo selection
掲載雑誌:Fertility and Sterility 2016 Feb;105 (2):369-375
演題:Automatic time-lapse instrument is superior to single-point morphology observation for selecting viable embryos: retrospective study in oocyte donation.
掲載雑誌:Fertility and Sterility 2016 Nov;106 (6):1379-1385

当院では、上記の培養器を導入してタイムラプスによる受精卵診断を行う予定です。
今まではヨーロッパ各国で使用されていましたが、本年3月より日本で販売されるようになりました。
現在までのところ関東地方で二つの医療機関で導入されました。日本では当院が三番目の導入となる予定です。

ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年5月号)

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ココラ5月号のテーマである人工授精について下記に示します。

人工授精は、一般不妊治療で一番妊娠率が良い治療法です。ただ、自然排卵ではほとんど妊娠しません。
これは、ココラのコラムにも書きました。当院の人工授精の治療成績を示します。
(受精着床学会誌に採用された論文から抜粋しました。)
表1は人工授精の結果です。妊娠した症例では、妊娠しない症例との違いは排卵数のみです。
妊娠症例では有意に多く排卵しています。
下記の治療成績は全て排卵誘発を注射剤のみで行っております。
妊娠するには排卵数が2~3個必要というものではなく、なるべく多くの排卵数があった方が良いと考えて下さい。

表1 人工授精における妊娠群と非妊娠群の背景、臨床成績の比較
妊娠群 非妊娠群 有意差
症例数 145 515
年齢 33.4±0.37 33.9±0.22 なし
治療回数 3.0±0.20 3.4±0.11 なし
精子数(×10/ml) 79.1±5.92 88.5±3.65 なし
 精子運動率(%) 57.4±1.49  56.9±0.86  なし 
子宮内膜厚(mm) 10.0±0.18 10.3±0.22 なし
排卵数(個) 2.7±0.13 2.0±0.13 あり(p<0.01)
(日本受精着床学会誌 2012年29巻)

次に人工授精の体外受精に変更を考える回数について述べてみます。
下記に当院の人工授精1100周期の治療成績を論文(日本受精着床学会誌 2012年29巻)に掲載したものを示します。
図1は、人工授精の回数毎年齢別の妊娠率です。妊娠率は流産も含めますから、人工授精の回数が増えても妊娠率は概ね一定の数値内で変化します。日本平均は約10%位です。

年齢別治療周期毎の妊娠率

図2は、人工授精の回数毎年齢別の生産分娩率です。生産分娩率とは、出産まで行く妊娠率を言います。
37歳以上で4回以上の治療では生産分娩率は0%となります。36歳までは、5回くらい人工授精に挑戦しても妊娠の可能性はあります。37歳以上では、人工授精は3回位が目安かもしれません。ただ、40歳の5回目で妊娠された方もおられます。

年齢別治療周期の毎の生産分娩率


ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年4月号)

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ココラ4月号コラムのテーマである不妊治療の流れを下記に示します。

まず、治療に来られた方には、自然経過で排卵の有無を超音波で診ながら一通り検査をします。
① 検査で両側卵管通過性なし → 体外受精(または顕微授精)
② 精子が無い → 精巣から精子をとり顕微授精
③ 精子が基準値より少ない → 人工授精をお勧めしますが、説明の上でタイミング法でいくか人工授精でいくかはご夫婦で決めていただきます。
④ すべての検査で異常が見当たらなかった場合 → このケースが一番多いです。
これはどこも悪くはないのではなく、必要十分で考えると最低限必要な条件は満たしているが、見えないところでの異常があると考えています。
妊娠成立には、100ヶ所のポイントがあり、その一つでも異常があると妊娠は成立しません。
  つまり外部からみて異常がわかる部分は極一部となります。概ね検査で異常がなかった場合の治療手順は下記になります。
 
(1) 自然周期でのタイミング法
自然排卵を超音波で推測し、排卵しているかをみます。

(2) 排卵誘発剤を使用してのタイミング法
自然排卵周期で妊娠しない場合、この段階になります。
つまり自然排卵していると思われても、その卵子がいつもいいものではない可能性があるから妊娠しないと考えられます。
誘発剤は2種類あります。内服薬と注射剤です。
ⅰ) 内服薬+注射剤の場合
飲み薬を生理3日目位より開始、5日間服用します。内服薬(一番使用されているのがクロミフェン:商品名 クロミッド)は自然周期の刺激ホルモンを誘導する作用です。
ⅱ) 注射剤のみの使用
内服薬(商品名 クロミッド)+ 注射剤の治療法は3周期位で妊娠しない場合、注射のみの治療に移行します。その内服薬の性質から、有名な教授の言葉でこの薬を妊娠しづらい方が吞み続けると避妊薬になると言ったことがあるくらい、あまり長く吞み続けない方が良いからです。

(3) 人工授精
タイミング法で2~6周期妊娠が成立しない場合は、人工授精になります。
精子の所見が正常でもこの治療が適応となります。体外受精・顕微授精で妊娠が成立しなかった症例でも、充分な排卵誘発(注射のみ)で妊娠されています。

(4) 体外受精・顕微授精
最後に行う治療です。勿論、体外受精をしたがタイミング法や人工授精に戻りたい方はできます。

とにかく生殖医療の治療は、ご夫婦が希望を述べられて進めていくものです。我々は、治療法の情報を示し、その上でカップルがお決めになる。そのためには話をする。これはガン治療でも同じです。新潟県立がんセンターや新潟県立中央病院でガン治療も行ってきましたが、治療の基本は話をすることに尽きると思います。ご本人がどのような治療を希望されるかを知るところから、医療はスタートします。


ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年3月号)

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ココラ3月号コラムの捕捉になります。
<乳がんの関連論文について>
ココラ3月号に掲載した私の意見のもとになった参考文献を下記に示しました。
以前より産婦人科のホルモン剤と乳がんの関連は言われていましたが、現在では原因としての関連性は否定されています。
例えば、WHOの報告では産婦人科ホルモン療法2種類は、乳がんのオッズ比は1.7くらいだったと思います。ちなみにタバコの肺がんのオッズ比は7.0位です。
面白いデータがありまして、黒人の女性が浴衣を着て日光浴をすると乳がんのオッズ比は1.3位とのことです。
これらのデータから言えることは、ホルモンや不妊治療の薬が飛びぬけて乳がんになりやすいということではなく、生活習慣でさえ乳がんとの関連が考えられるため、何か一つだけではないとの結論です。
(1)Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine:Fertility drugs and
cancer:a guideline.Fertil Steril 2016 Dec;106(7):1617-1626
アメリカ生殖医学会が、生殖医療の薬と乳がんの関係を否定しました。
(2)Suzuki R.,et al.:Alcohol intake and risk of breast cancer defined by estorogen and progesterone receptor status-a meta-analysisi of epidemiological studies.Int J Cancer.
2008 Apr 15;122(8):1832-41.
(3)Suzuki R.,et al.:Alcohol consumption-associated breast cancer incidence and potential effect modifiers:the Japan Public Health Center-based Prospective Study.Int J Cancer
127:685-695.2010
上記の論文は、アルコールと乳がんの関連性を示すものでした。
(4)Suzuki R.,et al.:Body weight and postmenopausal breast cancer risk defined by estrogen and progesterone receptor status among Swedish women:A prospective cohort study.Int J Cancer.
2006 Oct 1;119(7):1683-9.
(5) Suzuki R.,et al.:Impact of body mass index on breast cancer in accordance with the life-stage of women.Front Oncol.;2012 Oct 4.
上記の論文は、閉経後肥満の方において乳がんとの関連性があることを示していますが、特異的な体質の方が考えられます。必ずしも肥満の方が乳がんになるわけではありません。
高松 潔 他:子宮内膜癌・乳がん. 臨床婦人科産科71:148-158,2017.

ココラ 教えて妊活プラスのページ(H29年2月号)

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ココラ2月号コラムの捕捉になります。
<受精卵の転機からみた流産の割合>
研究データからみた流産の割合があります。
受精して着床し妊娠になる受精卵が、出産まで行く確率は60%となっています。
エコーで胎嚢が見えて妊娠が確定して流産になる割合は10%で妊娠反応が陽性に出たが生理になる割合は15%です。
受精して着床し妊娠反応が出る前に生理になる割合は15%です。
エコーで流産の判定になるのは、70%分の10%で7分の1と言うことになります。概ね6分の1くらいというデータと同じくらいです。

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<公的特定不妊治療助成金申請不可の方に対する当院助成金制度のご案内>

適応条件:当院で少なくとも2回以上、公的特定不妊治療助成金の申請をされている方で、公的不妊治療助成金の申請回数を終了した方。
申込方法:この助成制度を希望される方は、医師又は当院受付にお問い合わせ下さい。
申込期限:平成28年4月1日~平成29年3月31日(第1回分申込み終了いたしました。)
※平成29年4月1日~平成30年3月31日(第2回分申込み受付中です。)

40歳未満で開始し6回申請終了した方は4回まで利用可能
40歳以上で開始し3回申請終了した方は7回まで利用可能

   1回につき当院の助成額
 A)採卵+新鮮胚移植 15万円
 B)採卵+1~2周期後に移植  15万円
 C)凍結胚の胚移植  3万円
 D)採卵のみ  15万円
 E)採卵したが移植できず  15万円


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月経周期の中では、排卵した後に黄体ができ、その黄体から黄体ホルモンが分泌されます。その黄体ホルモンが脳の体温中枢を刺激して高温になります。この現象を利用して、排卵後に基礎体温が高温になることを確認することが重要になります。

よく基礎体温が落ちた日が排卵日だと言われていますが、それに当てはまるのは2割程度の人です。落ちても落ちなくても低温相最後の日に排卵になる人が1/3、基礎体温が上昇中に排卵になる人が1/3、高温相(37.6度以上)初日に排卵になる人が1/3です。ですから基礎体温から排卵日を特定することはできません。ちなみに、このあたりで毎日タイミングを取ったカップルが一番妊娠率が高いです。基礎体温が重要なのは、排卵後に高温相が12~14日間続くことを確認できるか、どうかです。

下の図は、親指位の卵巣中にある卵胞(卵子の入った袋)のイラストです。生理の時の小さな卵胞から、排卵を経て黄体のできるまでの過程を示しています。






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Ⅰ)採卵数と妊娠率(出産までの妊娠率です)について

下記の図は、体外受精時に採卵数が妊娠成立に関与してくるという論文から抜粋したものです。
内容は採卵数が15個をピークに採卵数が多い方が妊娠率は良く、またその妊娠率は年齢が上昇すると低下するという報告です。




Ⅱ)特定不妊治療と当院助成金について

1)現在の公的特定不妊治療助成金の内訳(平成28年度新潟県特定治療支援事業)
  40歳未満で開始した方は6回で申請終了
  40歳以上で開始した方は3回で申請終了

   初回  1年目(2回目~)  2年目以降
 A)採卵+新鮮胚移植 30万円  15万+5万円  15万円
 B)採卵+1~2周期後に移植 30万円  15万+10万円  15万円
 C)凍結胚の胚移植  ― 7万5千+5万円  7万5千円 
 D)採卵のみ 30万円 15万+5万円  15万円 
 E)採卵したが移植できず 30万円  15万+5万円 15万円 
 F)採卵するも卵がとれず 7万5千円+5万円  7万5千円+5万円 7万5千円 



2)公的特定不妊治療助成金申請不可の方に対する当院助成金の内訳
  適応条件:当院で少なくとも2回以上、公的特定不妊治療助成金の申請をされている方で、
         1)の表に該当する申請回数を終了した方。
  申込方法:この助成制度を希望される方は、担当医又は当院受付にお問い合わせ下さい。
  申込期限:平成28年4月1日~平成29年3月31日(予定)

  40歳未満で開始し6回申請終了した方は4回まで利用可能
  40歳以上で開始し3回申請終了した方は7回まで利用可能

   1回につき当院の助成額
 A)採卵+新鮮胚移植 15万円
 B)採卵+1~2周期後に移植  15万円
 C)凍結胚の胚移植  3万円
 D)採卵のみ  15万円
 E)採卵したが移植できず  15万円
 F)採卵するも卵がとれず  3万円


ココラ 教えて妊活プラスのページ(H28年3月号)

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ココラ3月号コラムの捕捉になります。
表1は、2009年に改定になりましたWHOの精液検査の基準値です。
この算出は、自然に妊娠したカップルの男性の精液所見の下10%をカットしたデータです。
注意していただきたいのは、正常値ではなくあくまでも妊娠し得る数値だということです。
厳密なのは、表2の精子サバイバルテストではないかと思います。方法は図4に示した如くの
精液から洗浄して、さらに100%近い精子を集めて、これを24時間培養器で培養して
生存している精子の割合を調べる検査です。表2に妊娠率との関連を載せてみました。

表1)WHOの精液検査の基準値

精液量

1.5ml以上

精子濃度

1500/ml以上

運動率

40%以上

正常形態率

4%以上(奇形率96%未満)

表2)サバイバルテストと妊娠率の関係

サバイバル率()

妊娠率

80100

66.6

6080

11.1%

4060

22.2%

2040

0%

020

0%

 

注) percoll:培養液、ART:体外受精などの生殖補助医療


ココラ 教えて妊活プラスのページ(H28年2月号)

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ココラ2月号コラムの捕捉になります。
この説明では、低卵巣反応という排卵誘発剤に対し卵巣の反応が乏しい症例です。
この低卵巣反応をAMHで定義することが提唱されました。2010年のGrzegorezykl9)
らの報告によるとAMH値から低卵巣反応を予測するためには、AMH値を1.77ng/mlと
設定することが適切な値であるとしている。この報告は704例の患者を対象としており過去
の報告例では最大である。当院のAMH測定症例を、AMH≧1.77ng/mlを正常反応、
AMH<1.77ng/mlを低卵巣反応と分けて調べてみました。そのデータをまとめて論文に
したものです。

表1)正常卵巣反応群と低卵巣反応群の比較検討

 

正常卵巣反応群

(AMH:4.62±0.31)

低卵巣反応群

(AMH:0.88±0.07)

有意差の

有無

症例数

188

113

 

体外受精

43(23.5%)

46(40.7)

 

人工授精

63(34.4%)

31(27.4%)

 

タイミング法

77(42.1%)

36(31.9%)

 

年齢

33.1±0.55

34.6±0.55

p<0.001()

FSH(mIU/ml)

6.2±0.28

9.3±0.69

p<0.001(

E2(pg/ml)

34.9±3.96

39.7±8.07

胞状卵胞数

15.4±0.94

7.8±0.47

p<0.001()

採卵数

6.2±0.64

2.8±0.32

p<0.001()

成熟卵数

5.2±0.57

2.0±0.26

p<0.001()

受精卵数

3.5±0.40

1.2±0.19

p<0.001()

 

表2)正常卵巣反応群と低卵巣反応群における妊娠例の比較検討

 

AMH1.77ng/ml以上(n=183)

AMH1.77ng/ml未満(n=113)

有意差

妊娠率

40.9%(76/183)

23.7%(32/113)

P<0.05()

妊娠例の治療内容内訳

 

 

体外受精

53.5%(23/43)

28.2%(13/46)

  人工授精

39.7%(25/63)

29.0%(9/31)

タイミング

36.4%(28/77)

27.8%(10/36)

継続妊娠率

(出産率)

31.1%(57/183)

22.1%(25/113)

継続妊娠例の治療内容内訳    

 

 

体外受精

30.2%(13/43)

15.2%(7/46)

  人工授精

30.2%(19/63)

25.8%(8/31)

タイミング

32.5%(25/77)

27.8%(10/36)

 


ココラ 教えて妊活プラスのページ(H28年1月号)

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ココラ1月号に記載された抗ミュラー管ホルモンAMHについての説明になります。
AMHは、デビューした時は卵巣年齢を示すホルモンと言われてスタートしました。
下記の図は、各年齢のAMHの値を示しており、上の線が平均値、下の線が中央値
(100人いたら50番目の値)です。平均値をみて比べて下さい。AMHに関しては
正常値はありません。個人差が激しく、標準曲線が描けません。AMHは、残りの
卵胞(卵子の入った袋)の数を反映すると言われています。


24~50歳の女性における年齢とAMHとの関係(Davidら:Fertil.Steril.,2011)

ココラ 教えて妊活プラスのページ(12月号)

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ココラ12月号に記載された卵子の染色体異常についての説明になります。
下記の表は、年齢毎の卵子の染色体異常についてのグラフです。このグラフの読み方は、34歳までは10%位の卵子の染色体異常で、35~38歳までは15~25%の染色体異常、39,40歳で30%、41歳で40%、42,43歳で50%の染色体異常となります。
受精卵になると、複写の段階でミスが起きるために受精卵の染色体異常率は卵子の染色体異常率に30~40%の上乗せになります。




ココラ 教えて妊活プラスのページ(10月号)

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下記は当院の2011年までの人工授精の治療成績です。受精着床学会誌に採用された論文から抜粋しました。
表1は全ての症例の人工授精の結果です。妊娠した症例では、妊娠しない症例と比べると排卵数が有意に多く排卵しています。下記の治療成績は全て排卵誘発を注射剤のみで行っております。
表2は精子が少ない症例で妊娠するためには排卵数が3.1個必要となり、精子正常例より排卵数が有意に多く必要となります。

表1 人工授精における妊娠群と非妊娠群の背景、臨床成績の比較
妊娠群 非妊娠群 有意差
症例数 145 515
年齢 33.4±0.37 33.9±0.22 なし
治療回数 3.0±0.20 3.4±0.11 なし
精子数(×10/ml) 79.1±5.92 88.5±3.65 なし
 精子運動率(%) 57.4±1.49  56.9±0.86  なし 
LH(mIU/ml) 5.4±0.42 5.8±0.32 なし
E (pg/ml) 1,415±98.8 1,347±48.9 なし
子宮内膜厚(mm) 10.0±0.18 10.3±0.22 なし
Triple line sign (%) 120(80.5) 412(80.3) なし
排卵数(個) 2.7±0.13 2.0±0.13 あり


表2 妊娠例の正常精子群と乏精子群の背景、臨床成績の比較
正常精子群 乏精子群 有意差
症例数 103 42
精子(×10/ml) 105.9±6.72 13.3±0.70 なし
年齢 33.7±0.41 32.9±0.76 なし
治療回数 2.9±0.23 3.0±0.39 なし
LH(mIU/ml) 5.0±0.50 6.1±0.79 なし
E (pg/ml) 1,393±121.5 1,466±167.9 なし
子宮内膜厚(mm) 10.1±0.22 10.2±0.31 なし
Triple line sign (%) 82(79.6) 37(88.1) なし
排卵数(個) 2.5±0.16 3.1±0.25 あり

                              (日本受精着床学会誌 2012年29巻より)

次に下記の図は、体外受精時に採卵数が妊娠成立に関与しているという論文から抜粋したものです。
内容は採卵数が15個をピークに採卵数が多い方が妊娠率は良く、またその妊娠率は年齢が上昇すると低下するという報告です。







ココラ教えて妊克プラスのページ(9月号)

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当院の人工授精1100周期の治療成績を論文
(日本受精着床学会誌 201229)掲載したものです。図1は、人工授精の回数毎年齢別の妊娠率です。妊娠率は流産も含めますから、人工授精の回数が増えても妊娠率は概ね一定の数値内に変化します。日本平均は、約10%位です。図2は人工授精の回数毎年齢別の生産分娩率です。生産分娩率とは、出産まで行く妊娠率を言います。37歳以上の4回以上の治療では生産分娩率は0%となります。

下記の表1は精子が少ない症例の人工授精の妊娠率です。妊娠した症例では、妊娠しない症例と比べると排卵数が有意に多く排卵しています。決め手は、排卵数つまり卵子の出来です。上記の治療成績も下記の治療成績も全て排卵誘発を注射剤のみで行っております。

表1 乏精子症例の人工授精による妊娠例と非妊娠例の背景、臨床成績の比較
妊娠例 非妊娠例 P value 有意差
症例数 42 107
年齢 32.9±0.76 32.6±0.40 N.S なし
治療回数 3.9±0.42 3.1±0.21 N.S なし
総運動精子数(×10) 6.45±0.64 4.76±0.44 p<0.05 あり
LH(mIU/ml) 6.1±0.79 6.5±0.67 N.S なし
E (pg/ml) 1,466±168.1 1,398±116.7 N.S なし
子宮内膜厚(mm) 10.2±0.31 11.6±1.00 N.S なし
Triple line sign (%) 37(88.1) 83(77.5) N.S なし
排卵数(個) 3.1±0.25 2.0±0.15 p<0.01 あり

ココラ 教えて妊活プラスのページ(8月号)

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ココラ8月号に掲載されたDHEAについての説明になります。
論文の内容は、体外受精で採卵した結果、良好な受精卵が得られなかった場合や採卵数が4個以下の低卵巣反応の方にDHEAを処方してその反応を検討したデータです。10年間で74例323周期を対象としました。日本受精着床学会誌に採用され、同誌の2014年31巻2号からの抜粋となります。下記表の見方は、(1)は良好な受精卵が得られなかった全体の症例を対象として、DHEA内服前と内服後で各検討項目を比較しました。その結果はp valueの列で0.05以下の場合有意に増加している結果で、DHEAの効果があったと考えられます。(2)の表は、採卵数が4個以下の低卵巣反応の方を対象とし(1)と同様に検討しました。低卵巣反応の方がより良いDHEAの効果を認めております。ただ嗄声などの不可逆性の副作用がありますので、服用される場合は生殖医療専門医にご相談されてください。

(1)DHEA内服前後の全体症例における臨床成績の比較検討(日本受精着床学会誌2014年31巻2号)
検討項目 DHEA治療前(143周期) DHEA治療後(180周期) p value
月経3日目FSH(mIU/ml) 7.07±0.77 5.51±0.45 0.08
月経3日目AMH(ng/ml) 2.12±0.29 1.59±0.23 0.15
月経3日目 胞状卵胞数 9.50±0.38 9.55±1.33 0.94
採卵数 4.76±0.37 4.99±0.28 0.63
成熟卵数 3.0±0.25 3.72±0.21 0.027
成熟卵率() 66.0±3.3 78.6±2.1 0.0016
受精卵数 2.26±0.19 2.51±0.16 0.33
受精率() 62.3±5.1 65.1±2.8 0.62
良好胚数 0.30±0.0060 0.61±0.064 0.00049
 良好胚率(%) 11.5±2.2 23.9±2.5  0.00028 

      

(2)DHEA内服前後の低卵巣反応例における臨床成績の比較検討(日本受精着床学会誌2014年31巻2号
検討項目 DHEA治療前( n=87) DHEA治療後(=133) p value
月経3日目FSH(mIU/ml) 7.61±1.01 5.24±0.55 0.046
月経3日目AMH(ng/ml) 1.49±0.25 1.40±0.25 0.819
月経3日目胞状卵胞数 8.14±0.43 8.68±0.34 0.319
採卵数 2.02±0.13 3.70±0.22 0.0078×10⁻⁷
成熟卵数 1.48±0.12 3.10±0.20 0.0071×10⁻⁸
成熟卵率(%) 65.4±1.9 81.1±2.4  0.0025 
受精卵数 1.07±0.11 2.06±0.14 0.0013×10⁻⁴
受精率() 51.8±5.0 66.9±3.2 0.012
良好胚数 0.20±0.0049  0.60±0.073 0.000012 
良好胚率(%) 12.8±3.3 26.1±3.2 0.0041

       

ココラ 教えて妊活追記のページ(4月号)

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ココラ4月号に掲載された論文についての説明になります。
この論文の要旨は、原因不明反復流産患者にG-CSFを投与することによって健児を得る確率が上昇するというものです。
大部分の反復流産ではその病因は不明である。G-CSF(granulocyte colony-stimulating factor)は胎盤にも認められるものです。
G-CSFを投与して流産を防止できるか検討した。4回以上の流産を経験し、すべての検査で異常を認めなかった68例を対象とした。
このうち35名にG-CSFを投与、33名に何も投与しないで妊娠経過をみた。
結果は下記の如くでした。出産数や流産数については有意な差があり、G-CSFの効果が期待できます。

  G-CSF 投与例     無治療例     
 出産数      29(82.8%)    16(48.5%)
 流産数     6(17.2%)    17(51.5%)


ココラ 教えて妊活追記のページ(3月号)

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ココラ3月号に掲載された卵巣の過剰反応についての説明になります。
排卵誘発剤を使用した症例に認められ、下記の症状で卵巣過剰刺激症候群といいます。
全員がなるわけではなく、多嚢胞卵巣のような排卵誘発剤に対し過剰反応を示すタイプの方に症状が出ます。
妊娠した時にも出やすく、8~10週以降に大きさは減少します。
ではこの症状が出やすい方を見つける方法は、何かというと抗ミュラー管ホルモン(略語はAMHという卵巣年齢をみるホルモンといわれています)が目安になります。
当院のデーターをまとめて北陸産婦人科学会に発表しましたが、AMHが10ng/mlを超えるとこの状態を起こしやすくなります。


                                          (日本受精着床学会誌 201229巻より)

ココラ 教えて妊活追記のページ(2月号)

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当院の人工授精1100周期の治療成績を論文に掲載したものです。
図1は、人工授精の回数毎年齢別の妊娠率です。妊娠率は流産も含めますから、人工授精の回数が増えても妊娠率は概ね一定の数値内に変化します。日本平均は、約10%位です。


年齢別治療周期毎の妊娠率

図2は人工授精の回数毎年齢別の生産分娩率です。
生産分娩率とは、流産を除いた出産まで行く妊娠率を言います。この特徴は条件いい方から妊娠出産になりますので、人工授精の回数が増えれば妊娠率が低下することになります。
34歳以下の方(◆  )は人工授精回数1,2回目で生産分娩率が概ね20%位、3,4回目で15%位です。
同様に35,36歳の方(▲)は、1回目は20%位、2~4回目までは15~15%位(3回目は誤差範囲と考えられます)です。
37,38歳の方(■)は、3回目まで34歳以下の方と同じパターンが見られますが、4回目以降妊娠率が0%となります。
39歳以上の方(●)では、37,38歳の方と同じように3回目まで妊娠率が見られますが5%以下です。4回目以降の生産分娩率は0%となります。


年齢別治療周期の毎の生産分娩率