高度生殖補助医療

体外受精-胚移植(IVF-ET)、顕微授精-胚移植(ICSI)は高度生殖治療といわれ、男性不妊、卵管障害、また原因不明で、人工授精を3回から5回行っても妊娠しない方が対象となります。

体外受精-胚移植(IVF-ET)
体外受精とは、その名のとおり体外で、卵子に精子を受精させることをいい、またその受精卵(胚ともいいます)を子宮内に戻すことを胚移植といいます。ですから、一般に体外受精と呼んでいることを正式には、体外受精-胚移植(IVF-ET)といいます。
よく人工授精と混同しがちですが、人工授精(AIH)は、単に精液を子宮内に注入することであり、その操作内容はまったく異なり、体外受精の方がより高度で、複雑な操作が必要となります。大きく分けて採卵、培養(受精)、胚移植の3つのプロセスから成り立ちます。


① 採卵
細い針を卵胞と呼ばれる卵の入った袋へ刺し、卵胞液を吸い出してきます。採れたばかりの卵は成熟していないものもあるので、2.5~3時間ほど培養液のなかで培養します。その後、体外受精を行います。

採卵は、15~30分程度で終了します。終了後は、しばらくベットでお休みいただいきお帰りいただきます。

② 受精
運動良好な精子を卵子を入れたシャーレのなかに加えます。
十数時間で受精が起こります。

③ 培養
培養液のなかで、受精卵(胚)を2~5日育てます。
当院では現在「胚盤胞培養」を行っています。これは卵が受精しているかどうかを確認した後、受精から5日目まで卵を外に出さずに育てる方法です。

ヒト胚発生の様子
1日目(前核期胚)  2日目(初期胚)  3日目(初期胚)  5日目(胚盤胞) 6日目(孵化胚盤胞)

  ※「卵」と「胚」の違いについて 「卵」・・・精子が入ってくる前の、受精していないもの
                  「胚」・・・卵と精子が受精・発生したもの 


④ 胚移植
発育した胚を細いチューブを使い、子宮内へと戻します。
採卵した周期に移植する方法と、一度凍結してから別の周期に移植する方法があります。
移植前に、胚の透明帯に穴をあけたり、薄くする操作を行います。(これをアシストハッチング・・・AHAといいます)
移植後は20分ほどベッドで安静にしていただき、お帰りいただきます。
         

顕微授精-胚移植(ICSI)
外来の精液検査の結果、極端に精子数の少ない患者さまに対しては顕微授精が行われます。顕微授精は調整精液から活動性の高い1つの精子を選び、細いガラス針を用いて直接、卵に注入する方法です。採卵、移植等は体外受精に準じます。

当クリニックでは、より安全で精度の高い顕微授精を目指して治療を行っております。

受精卵の凍結保存について
1~2個胚移植をしても受精卵が残る場合には、これを凍結して保存することも可能です(-196℃の超低温の液体窒素に凍結保存します)。また、胚移植後妊娠しなかった場合、別の周期に凍結卵を解凍し、移植することができます。

高度生殖医療技術センターについて
当クリニックの高度生殖医療技術センターは「培養室入口にエアシャワーを設ける・培養室内はエアフィルターを通した清浄空気を循環させる」など、室内のクリーン度が十分に管理された環境の中で作業を行っております。胚の成長には培養室のクリーン度が重要です。