質問者
体外受精で先進医療があるようですが、先進医療をするといい卵子がとれますか。
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
良好な卵子を得るための先進医療はなく、受精段階からが対象になります。
当院の倫理委員会で承認された先進医療を説明します。
①受精させた受精卵をなるべく外気に触れさせず培養させる「タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養」
②着床を促す「二段階胚移植術」、「子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)」
③精子を選択し顕微授精に用いる「強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術(IMSI)」、「マイクロ液体技術を用いた精子選別(ZyMot)」、「生理学的精子選択術(PICSI)」
④着床に関する子宮内膜の検査「子宮内膜受容能検査(ERA)」、「子宮内膜マイクロバイオーム検査(EMMA)」、「感染性慢性子宮内膜炎検査(ALICE)」
以上これらが生殖補助医療の先進医療の対象になっています。
3年前に不妊治療が保険適応になった時に、エビデンスが不足していたために保険適応にならなかったのが先進医療です。
前述の先進医療に関しては、否定的な論文も多くあります。
ガイドラインにも推奨するものはありません。
そして生殖医療の一番の重要ポイントである卵子の質を上げる先進医療はありません。
やはり卵子の質は年齢です。
治療するなら早く取り組むことをおすすめします。