①エビデンスについては、日本生殖医学会が発行の「生殖医療ガイドライン」より抜粋
②当院倫理委員会:厚生労働省研究倫理審査委員会報告システム委員会番号23000120
①エビデンスについては、日本生殖医学会が発行の「生殖医療ガイドライン」より抜粋
②当院倫理委員会:厚生労働省研究倫理審査委員会報告システム委員会番号23000120
項目(エビデンス評価) | 費用 | 備考 |
採卵術料 | 健康保険適応で実施 | |
体外受精 | 健康保険適応で実施 | |
顕微授精 | 健康保険適応で実施 | |
卵子活性化処理(B) | 健康保険適応で実施 | カルシウム法を行っております |
胚培養(A)~(B) | 健康保険適応で実施 | |
胚凍結保存 | 健康保険適応で実施 | |
胚移植術 | 健康保険適応で実施 | |
Assisted hatching(B) | 健康保険適応で実施 | |
ヒアルロン酸含有 培養液前処理 |
健康保険適応で実施 | |
タイムラプス培養(B) | 20,000円 | 先進医療:タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養 として認可されました。 |
二段階胚移植 | 健康保険適応の凍結胚移植の全額自己負担に相当 | 先進医療:二段階胚移植術として認可されました。 当院過去96例中64例(66.7%)妊娠成立しています。 |
G-CSF子宮内投与 | 申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 →この方法でない現時点でも使用されている 方法で子宮内膜が6㎜以下の薄い症例でも 妊娠する方法を確認したので、 申請はしない方針としました。 |
当院の治療実績:子宮内膜厚が7㎜未満の症例で実施。 54周期中、妊娠率35.7%、継続妊娠率25%。 |
子宮内膜胚受容能検査(C) | 右記条件に当てはまる方、無料実施 (当院治療中の方) |
40歳未満で良好胚4回胚移植をしても妊娠しない場合は 着床障害も疑われるため、適応条件とします。 信頼性低い。当院で着床障害の症例は無く、 妊娠成立しております。 |
子宮内細菌叢検査(C) | 当院では実施せず | |
Th1/TH2測定(C) | 当院では実施せず | |
SEET法(C) | 当院では実施せず→申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 |
申請中は、希望者には無料で実施中。 |
子宮内膜スクラッチ(C) | 当院では実施せず | |
IMSI | 11,000円 | 先進医療:強拡大顕微鏡による形態良好精子の選別(IMSI) として認可されました。 |
ZyMot | 申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 |
申請中は、希望者には無料で実施中。 |
PICSI | 申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 |
申請中は、当院治療中の希望者には無料で実施中。 |
ERA | 申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 |
申請中は、当院治療中の希望者には無料で実施中。 |
子宮内細菌叢検査 | 申請準備中。 当院倫理委員会の審議の結果、承認される。 |
申請中は、当院治療中の希望者には無料で実施中。 |
適応症:胚移植を受ける不妊症患者(胚移植後に反復して流産を認めたもの、あるいは奇形精子を伴うものに限る)
(先進性)ICSIにおける精子の選別は、手技を行う胚培養士が顕微鏡下で精子の形態と運動性を評価し選別を行う形態学的選別が主流である。
しかしながら、形態学的にbest lookingな精子が必ずしも良好な精子とは限らないとの報告がある。
さらにICSIではin vivoや体外受精の過程で自然に行われている成熟精子の選別を省略してしまっている。このことから、形態学的評価のみで精子を選別しICSIを行うと本来卵子の中に侵入できない未成熟な精子が注入されてしまう可能性がある。
その結果として、受精率や胚の発生率が低下し流産率が増加するという報告もある。
卵子に注入する精子は成熟を完了していることが望ましい。
成熟を完了した精子は、原形質膜の再構築、細胞質の押し出し、核の成熟が起きていて高密度のヒアルロン酸レセプターが発現しており透明帯とヒアルロン酸の両方に結合することができる。
この特徴を利用して生理学的に精子を選別する方法がHuszarらにより報告され、PICSI (Physiologic intracytoplasmic sperm injection)として広く行われるようになった。
ヒアルロン酸を利用した精子選別は特別な器具や染色は必要なく簡便であり、選別した精子を直ちに使用することが可能である。
すなわちPICSIは、精子の形態学的評価だけではなく、成熟度をその場で判別しながら卵子に注入できるという点で従来のICSIよりも先進性がある。
適応:40歳未満で良好胚盤胞を4個移植しても妊娠が成立しない場合着床障害の可能性があり、適応となる。
ERA®検査は、Igenomix社が開発し特許を取得した(PCT/ES2009/000386)(PCT/ ES2009/000386)、子宮内膜着床能を評価するための検査。
ERA®検査は、患者ごとに胚移植に適したタイミングを見極める初の検査である。
これにより胚移植を着床のタイミングで合わせて行うことがでる。
吸引用子宮カテーテルを用いて、子宮内膜を採取する。
ホルモン補充周期の場合は、エストロゲン投与により一定の厚さに子宮内膜を肥厚させ、その後、プロゲステロン投与開始後6日目(120時間目)で子宮内膜採取を行う。
自然採卵周期の場合はLHサージ後7日目またはhCG投与後の6日目に採取するが、自然周期では、血中LHが不規則に上昇する症例もあり、医師により判断が異なる症例があるため、ホルモン補充周期のみでERAを実施とする。
採取した子宮内膜を検体とし、次世代シークエンサーをもちいて236遺伝子を網羅的に解析し、内膜組織がReceptive(受容期)かNon-receptive(非受容期)かを評価する。
また、Non-receptiveの際はどのくらいReceptiveまでに差があるかも評価を行う。
子宮内膜が着床を受容する期間に周期を同期させ、胚移植を行うことで着床率の向上を目指す。
適応症:慢性子宮内膜炎疑い
子宮内膜マイクロバイオーム検査(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis;以下EMMA)や感染性慢性子宮内膜炎検査(Analysis of Infectious Chronic Endometritis;以下ALICE)が検査法は、採取された子宮内膜の検体からDNAを抽出した後に増幅し、次世代シークエンサー(new generation sequencer:NGS)を用い細菌の目印となる16SリボソームRNA遺伝子の遺伝子配列を同定する検査である。
(ⅰ)EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査;Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis):EMMAは子宮内に存在する各細菌の分類および相対的定量化も行い、存在する細菌の菌生バランスや存在量などを総合的に判断する。
より妊娠し易い子宮内環境を準備するために子宮内膜の細菌フローラを解析する検査である。
子宮内膜の細菌叢バランスを示し、高い妊娠率につながる健康で最適な子宮内膜細菌叢になるための情報を提供する。
(ⅱ)ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査;Analysis of Infectious Chronic Endometritis):病原菌を検出し、適切な治療を提案する。
病原菌は慢性子宮内膜炎の原因となり、反復着床不全や反復性流産と関連がある。
反復着床不全、反復性流産の患者のうち、慢性子宮内膜炎の罹患率は66%になる。
ALICE検査の対象
妊娠を望む全ての女性が対象。
胚が着床する際の子宮内膜の微生物学的環境を調べる。
反復着床不全、反復性流産と慢性子宮内膜炎には関連があることから、これらの患者も対象になる。