質問者
生理は順調ですが妊娠しません。
以前調べた検査では、卵管検査、精液検査は異常なしでした。
何が原因でしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
卵管、精液検査で異常がなければ、卵子の妊孕性が原因だと思います。
妊孕性とは、妊娠するための力のことを意味し、基本的には卵子の妊娠(出産に至る妊娠)する力を示します。
卵子の妊孕性は、20~24歳(平均22歳)がピークで以後妊孕性の低下は、25~29歳で4~8%、30~34歳で15~19%、35~39歳で24~46%、40~45歳で95%減少するとされています(日本生殖医学会生殖医療の必修知識による)。
このように、30歳以降に妊娠出産率はやや下降し始め、35歳以降に著明に低下し、40歳以降は加速度的に低下します。
この要因のひとつは、卵子が女性の出生後に産生されることなく、第1減数分裂の停止状態が長くなり、加齢による染色体不分離によるものです。
この他に年齢以外で個人差による病態があります。
妊孕性を低下させる病態として一番に考えられるのが子宮内膜症です。
子宮内膜症の人の妊孕性は子宮内膜症のない人と比べると、50~87%減少するとされています。
現時点での妊孕性を確認するのであれば、不妊期間0の人と比べると不妊期間が半年の人は67%、1年間の人は80%、それぞれ妊孕性は減少していると考えられています。
半年から1年妊娠が成立しなければ、治療をおすすめします。