治療成績

妊娠した方の治療内容毎の妊娠の割合です。
8割は、一般不妊治療で妊娠されています。
高額な体外受精の方は、2割です。
もう少しこの高額な治療の割合が下がるように頑張りたいと思います。

2022年

2022年は、体外受精保険適応になったため生殖補助医療の治療数が増え、採卵数だけでも4月以降前年の同期の2倍以上になりました。

人工授精の妊娠数は49例で、対人工授精実施数妊娠率は25.0%でした。

体外受精・顕微授精の妊娠数は77例で、対移植周実施妊娠率は50.7%でした。

2022年妊娠の割合
2022年妊娠例合計数
各治療方法
236例
各妊娠例数
Ⅰ自然排卵+タイミング 33例
Ⅱ誘発剤+タイミング 77例
Ⅲ人工授精 49例※1
Ⅳ生殖補助医療(体外受精・顕微授精・凍結胚芽移植) 77例※2
※1 人工授精妊娠率 25.0% ※2 生殖補助医療妊娠率 50.7%
2021年
2021年妊娠の割合
2021年妊娠例合計数
各治療方法
204例
各妊娠例数
Ⅰ自然排卵+タイミング 21例
Ⅱ誘発剤+タイミング 88例
Ⅲ人工授精 55例※1
Ⅳ生殖補助医療(体外受精・顕微授精・凍結胚芽移植) 40例※2
※1 人工授精妊娠率 26.8% ※2 生殖補助医療妊娠率 51.3%
2020年
2020年妊娠の割合
2020年妊娠例合計数
各治療方法
205例
各妊娠例数 (全体の割合)
Ⅰ自然排卵+タイミング 19例 (19/205,9.3%)
Ⅱ誘発剤+タイミング 88例 (88/205,42.9%)
Ⅲ人工授精 57例 (57/205,27.8%)※1
Ⅳ生殖補助医療(体外受精・顕微授精・凍結胚芽移植) 41例 (41/205,20.0%)※2
※1 人工授精妊娠率 31.8% ※2 生殖補助医療妊娠率 48.2%
2019年
2019年妊娠の割合
2019年妊娠例合計数
各治療方法
212例
各妊娠例数 (全体の割合)
Ⅰ自然排卵+タイミング 34例 (34/212,16.0%)
Ⅱ誘発剤+タイミング 79例 (79/212,37.3%)
①誘発剤内服薬(クロミッド)+注射薬+タイミング 50例 (50/212,23.6%)
②注射薬+タイミング 29例 (29/212,13.7%)
Ⅲ人工授精 50例 (50/212,23.6%)※1
Ⅳ生殖補助医療(体外受精・顕微授精・凍結胚芽移植) 49例 (49/212,23.1%)※2
※1 人工授精妊娠率 22.1% ※2 生殖補助医療妊娠率 50.5%
2018年・2017年・2016年
2018年妊娠の割合
2017年妊娠の割合
2016年妊娠の割合
2016年 2017年 2018年
妊娠総数 233例 252例 232例
①自然排卵+タイミング 29例 27例 33例
②誘発剤(内服薬+注射薬)+タイミング 69例 69例 88例
③排卵誘発剤(注射薬)+タイミング 33例 11例 15例
④人工授精 56例 96例 45例※1
⑤体外受精 46例 49例 51例※2
※1 人工授精妊娠率 18.1% ※2 体外受精妊娠率 49.0%

2018年の治療成績のは、ほぼ昨年と同じくらいと思われます。
本年の特徴は、誘発剤を用いたタイミング法の妊娠率が多かったような気がします。
これは、一昨年の新潟の学会で誘発剤併用のタイミング法で妊娠した症例の治療成績を発表して、妊娠症例の排卵誘発剤使用回数が平均4回と、妊娠していない症例と有意な差が出たため、昨年は内服薬(クロミッド)に注射をなるべく多く使用するように心がけました。その結果であると思います。
また、タイミング治療で妊娠が増えたため、人工授精の妊娠数も減少したと考えられます。
タイミング法でも排卵刺激を充分すると妊娠するものですね。(この中には、精子の少ない症例の方も妊娠しております。)
最終的には、卵子の影響が一番です。

発表論文
  1. 受精着床学会誌
    One day old ICSIによる受精卵の凍結胚移植後の継続妊娠の1症例
  2. 受精着床学会誌
    子宮内膜7mm未満の反復不成功例に対するgranulocyte colony-stimulating factor子宮内腔注入法を行い妊娠成立した2症例
  3. 受精着床学会誌
    配偶者間人工授精による年齢別治療ごとの生産分娩率と妊娠可能回数について
  4. 受精着床学会誌
    黄体・卵胞ホルモン混合剤併用し3ヶ月で3回子宮内掻爬術行い不妊治療にて妊娠した子宮内膜癌の1症例
  5. 受精着床学会誌
    調節卵巣刺激による基礎レベルから採卵時への抗ミュラー管ホルモン減少と採卵内容の検討
  6. 受精着床学会誌
    遠心後運動精子数0%を呈した重度乏精子症に凍結精子利用し配偶者間人工授精を行い妊娠した1症例
  7. 受精着床学会誌
    当院の配偶者間人工授精治療成績の検討による乏精子症例の妊娠の要因について
  8. 受精着床学会誌
    配偶者間人工授精成績と予測モデルによる予測値の比較検討
  9. 受精着床学会誌
    一般不妊治療・生殖補助医療における抗ミュラー管ホルモン値1.77ng/ml未満の低卵巣反応症例の検討
  10. 受精着床学会誌
    胞状卵胞数と排卵数の関連から考察した配偶者間人工授精の治療成績の検討
  11. 受精着床学会誌
    ART治療におけるdehydroepiandrosterone投与の臨床成績
学会発表
  1. 2007年6月 新潟産婦人科集談会
    DHEA併用ART治療で妊娠したpoor responder症例について
  2. 2009年2月 新潟産婦人科集談会
    当院 AIH 治療成績からの検討
  3. 2010年2月 新潟産婦人科集談会
    乏精子症におけるAIH 妊娠症例の検討
  4. 2011年2月 新潟産婦人科集談会
    抗ミュラー管ホルモン(AMH)の臨床的意義
  5. 2011年10月 新潟産婦人科集談会
    AIH による年齢別妊娠率と妊娠可能回数
  6. 2011年10月 新潟産婦人科集談会
    One day old ICSIによる受精卵の凍結胚移植後の継続妊娠の1症例
  7. 2011年10月 新潟産婦人科集談会
    配偶者間人工授精による年齢別治療ごとの生産分娩率と妊娠可能回数について
  8. 2012年3月 関東生殖医学会
    調節卵巣刺激による基礎レベルから採卵時への抗ミュラー管ホルモン減少と採卵内容の検討
  9. 2012年3月 関東生殖医学会
    配偶者間人工授精成績と予測モデルによる予測値の比較検討
  10. 2012年4月 日本産婦人科学会
    遠心後運動精子数0%を呈した重度乏精子症に凍結精子利用し配偶者間人工授精を行い妊娠した1症例
  11. 2012年4月 日本産婦人科学会
    黄体・卵胞ホルモン混合剤併用し3ヶ月で3回子宮内掻爬術行い不妊治療にて妊娠した子宮内膜癌の1症例
  12. 2012年6月 関東生殖医学会
    子宮内膜7mm未満の反復不成功例に対するgranulocyte colony-stimulating factor子宮内腔注入法を行い妊娠成立した2症例
  13. 2012年6月 関東生殖医学会
    一般不妊治療・生殖補助医療における抗ミュラー管ホルモン値1.77ng/ml未満の低卵巣反応症例の検討
  14. 2012年6月 関東生殖医学会
    不妊治療におけるDHEA使用の臨床成績
  15. 2012年6月 関東生殖医学会
    Granulocyte-colony stimulating factor子宮内腔注入法併用の凍結胚移植の治療成績
  16. 2012年6月 関東生殖医学会
    胞状卵胞数と排卵数の関連から考察した配偶者間人工授精の治療成績の検討
  17. 2012年6月 北陸産婦人科学会
    卵巣過剰刺激症候群の予測因子としての基礎レベル抗ミュラー管ホルモンの検討
  18. 2012年8月 受精着床学会
    採卵時と配偶者間人工授精時の抗ミュラー管ホルモンの検討
  19. 2013年6月 北陸産婦人科学会
    メトホルミン併用排卵誘発例のHOMA―IRからみた検討
  20. 2013年11月 日本生殖医学会
    G-CSF子宮内注入の治療効果と妊娠例の周産期結果の検討
  21. 2014年6月 北陸産婦人科学会
    抗ミュラー管ホルモン37.8ng/mlを示した重症多嚢胞卵巣症候群のアロマターゼ阻害剤使用による妊娠例について
  22. 2015年6月 北陸産婦人科学会
    子宮内膜肥厚不全例に対するG-CSF子宮内注入療法後の出産例の検討
  23. 2017年12月 新潟生殖医学会
    一般不妊治療による妊娠例の検討
  24. 2018年2月 新潟産婦人科集談会
    タイムラプスインキュベータGeri搭載Eeva testにより診断された受精卵の検討
  25. 2018年10月 新潟生殖医学会
    配偶者間人工授精における投与全運動精子数1000万未満の妊娠例の検討