質問者
妊活前に、1回は子宮頸がん検診を受けた方が良いでしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
子宮頸がんと診断される症例は年間10,900人、そのうち死亡数は2,900人と報告(2012年がん登録全国推計値)されています。その特徴は、若い女性の数の増加が顕著であることです。なぜ若い女性に多いか。子宮頸がんは、性交時のヒトパピローマウイルス(HPV) の感染によって起こります。子宮頸がん患者さんの90%以上にこのHPVが検出されています。生殖年齢の女性が、性交渉により感染機会が多くなるのは当然と考えられます。ウイルスですから、予防策について質問されることが多々あります。本来であればほかのウイルスのようにワクチンを投与することが効果的です。
予防策としては、2013年に公費で開始された12~16歳の間のHPVワクチン接種は2016年時点で日本をはじめ世界130か国でワクチン認可・接種が行われています。対象年齢の女性は子宮頸がん予防ワクチンを受けることをおすすめします。しかし、HPVワクチンは性交経験者に投与しても、すでに感染しているHPVの排除・除去や子宮頸がんやその前段階である異形成の進行予防の効果はありません。性交経験者の方は、費用対効果を考えると、ワクチンではなく子宮頸がん検診を1年に1回は受けられることをおすすめします。