質問者
妊活中、基礎体温が高くならないので黄体ホルモンの薬を内服していますが、妊娠しません。
何が原因でしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
基礎体温の高温相はどのような過程でつくられるかご説明しましょう。
卵胞(卵子の入った)が、排卵すると卵胞はつぶれて赤体を経て黄体になり、黄体ホルモンを分泌します。
排卵の目的は黄体を形成することにあるため、黄体ホルモンの血中濃度が3~5ng以上になると、脳の体温中枢を刺激して体温を高温にします。
質問のような状態になる原因としては、高プロラクチン血症か排卵障害が考えられます。
高プロラクチン血症は、採血をすれば診断できますが、注意が必要です。
運動や走った後などではプロラクチンは簡単に上昇します。
異常値(30ng/ml )以上の値が出た時には、落ち着いた状態で再度採血してみます。
50ng以上であれば高プロラクチン血症の治療も考えます。
高プロラクチン血症がなければ、排卵の過程に異常があることになりますので、黄体ホルモンを内服しても解決にはなりません。
生殖医療のガイドラインにも、自然排卵後に黄体ホルモンの補充は有効でないとされています。
また、内服薬の特徴として、90%は肝臓で代謝されるためあまり効果はありません。
一般不妊治療では、排卵誘発法を行うのが一番有効的です。